2012年5月26日土曜日

脳科学者の脳卒中体験を聞いて考えたこと


ジル ボルト博士がTEDで脳卒中体験を語っているのを見ました。

ジル ボルト博士のスピーチは下記のURLでみることができます。
http://www.ted.com/talks/jill_bolte_taylor_s_powerful_stroke_of_insight.html




  ※TEDは、なんと、最新の44ヶ国語でスピーチを聞く(みる)ことができます。




番組の内容は、脳は右脳と左脳はわかれていて、別の人格を有しています。

 ・右脳は「今」を生きています。
   そして映像で考え、まわりのエネルギーと融合している感覚になる
    区別がつかない。

  ・左脳は「過去と未来」を司り、言語をあやつります。
  すべての情報を処理して、過去の出来事と関連づけ時系列でものごとを組み立て、
  右脳で融合している自己をまわりのエネルギーから切り離して個人を成立させる。


博士の結論は、
 自分を他の人と切り離す左脳的な人格ではなくて、すべてがつながった右脳的な感覚をもてば、
 世界はもっと平和になるのではないかということでした。


この講義を見ていて
私は、コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授の授業の
直感と理性の関係を思い出した。

直感は今をいきているので刹那的な判断をしてしまいがち。
理性は状況判断をしながら決定ができるが融通がきかない場合がある。

そこで、日々の経験を記録しよい選択ができるように自分の選択を鍛えていくことが
大切だと紹介している個所があったと思う。


シーナ教授とボルト博士の体験をつなげると
マズローの自己実現欲と生物としての競争原理があるかぎり
右脳だけでいきていくことはできないが、

まわりと融合(協調、仏教でいうところの共生(ぐしょう)のかな)しながら、
人間としての自己実現にむけて
左脳の能力を使い、まわりの状況に応じて自己が変化、選択していくことが
幸せに通じるのかとなと考えました。

後悔はつきものということころが悲しいところです。



しかし、なぜ左脳と右脳は別々の機能を持っているんでしょう?

保護されたペンギンは幸せなのか?

東京の海水族園から逃げ出したままだったフンボルトペンギンが、
24日夕方、無事に保護されました。職員の方が素手で保護したということです。
今年の3月から2か月半以上近くの川などで暮らしていたそうです。

フンボルトペンギン(ウィキペディア


このニュースを聞いた方の「捕まって幸せなのでしょうか?」という声を
耳にしては私は、「どうなんだろう(幸せかどうか)」と考えました。


そして、すぐにコロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授の本を思い出した。
教授の著書「選択の科学」で下記のような事例や実験を紹介。

・野生のアフリカゾウの平均寿命は56歳だが、
 動物園で産まれたゾウは17歳である。
・ラットや犬での実験
・会社の社長と部下の平均寿命

これらの事例や実験からわかることは、
自分の力で”なんとかできる”という気持ちをもつことが
大きな意味をもつと紹介してくれていた。
(実際に、生き延びるかどうかはわからない。)

そして、ペンギンの話に戻る・・・
・あのまま自分の能力を活かして生きていく。
・年をとってきたときには、獣医師が面倒を見てくれるから捕まってよかった。
・健康状態が良好ということは体調を悪くするようなストレスはなかった、
つまり、生物としては自然なことだった。
いろいろ考えられる。


私の考えは、ささいなことでもいいから
環境や状況を自分の力でかえていけるという実感をもつほうが
生物としては幸せになれるような気がするので捕まらずに
あのまま自然の中で生きていけばいいと思う。


しかし、一方で
生きているだけでもめっけものという考え方もあるので
動物園に戻れてよかったというのにも少し共感できる。
他にも、種の継続という視点からは他の仲間がいるほうがいいような気がする。


もう、こうなるとメリット、デメリットで思考を整理しようとしても答えは出ない。

この問題も、難しい・・・。