2013年5月19日日曜日

開高健の言葉、風倒木(ナースログ)。

開高健~河は眠らない~ [DVD]









開高さんの「川は眠らない」というビデオの中に”ナースログ”についての説明個所がある。


説明はとてもシンプルだ。
「無駄なものはなにもない」ということ。


たとえば、
開高さんは自然の中での風倒木を例に出しておられる。




この風倒木は倒れて倒れっぱなしになっている。
これが無駄なように見えていて、
実に貴重な資源なんであって、
風倒木が倒れっぱなしになっていると、
そこに苔が生える、微生物が繁殖する、
バクテリアが繁殖する、土を豊かにする、
小虫がやってくる、その小虫を捕まえるために
ネズミやなんかがやってくる、
そのネズミを食べるためにまたワシやなんかの鳥も
やってくる、森にお湿りを与える、
乾かない、そのことが河を豊かにする、ともう
全てがつながりあっている。

だから、あの風倒木のことを、
森を看護しているんだ、
看護師の役割をしているんだというので
ナースログという。


開高さんは、
この言葉の最後に
人間にとって”ナースログ”とはなにか
無駄なように見えるけれども実は大変に貴重なもの
というものも人間にはたくさんあるんじゃないか?

>何が無駄で何が無駄出ないかはわからないとして

無駄を恐れてはいけないし、
無駄を軽蔑してはいけない。
いつかどこかで、また何か別のかたちで蘇っているのかもしれない。


>ここまできて再度
  開高さんの40歳前後の体験と執筆活動などと重ねながら
  ナースログという言葉を味わうと、落ち込んでいるときなどは
  なぜか静かに頑張ろう・・・と思うことができることが多い。