久しぶりに開高健の著書のなかで
「風に訊け」を手に取った。
この本は、彼の著書の中で持っているが
あまり読んだことのない著書の一つだ。
開高がプレイボーイという雑誌の中で
読者からの悩みごとなどに答えるという記事をあつめたものだったらしい。
しかし、改めて読んでみると意外と面白い。
五月病というタイトルを読んでみると
「この春、東大に合格し、上京しました。
ところが五月病というのでしょうか?
ビニ本を見ても勃起をせず、大学にも行かず、ひたすら
三畳一間の下宿で呆けています。
やっとの思いでこのハガキを書きました。
巨匠、私に活力をください。」 という悩みに対して
開高は
「とりあえず、三畳をやめて四畳半に移ってみたら、どや」と返している。
これはいい!
ぐだぐだと説明や説得することなく、
行動せよという答えに感心する。
こんな具合に少しずつ読んでいくと
色々な人がまぁどうでもいいことで悩んでいるんだなと感心させられたり
くだらないことに疑問に思っていることがよくわかる。
そして、自分が今悩んでいることも他の人からみたら
きっとどうでいいやんと言われる類のことなんだなと思うと
なんだろう。
とても落ち着くというか、安心するというか、自分も人並みに生きているんだなと思った。