2009年1月19日月曜日

谷から冷気が吹き上げてくる。まだ夜明け前で、私は夜通しエル・キャピタンの
ノーズを登り、ヘッドランプのかすかな灯りを頼りに目の前の岩に精神を集中している。
ふいに、いかに自分が疲れ無防備で、しかも孤独で、頼るべきロープもなく、
退却店はずいぶん前にとおり過ぎている、ということが頭をよぎる。
激しい恐怖が体を突き抜ける。頂上のことを考えようしたが、そうすることすら危険だ。

あるイメージが映像として浮かぶ。・・・川・・緊張と不安とで足を滑らし、川へ落ちる。
氷のような水に息がとなりそうになるが、なんとか岩にはいのぼって父が戻ってくるのを待ちながら
泣きわめく。

「ディーン、何もかも忘れるんだ。怖いものはなにもない。あるのは冷たい水が少しだけ。
次の一歩に精神を集中してごらん。父さんは川を下るのが楽しいよ。太陽の光が水に
跳ね返って、踏み出すべき場所へ自然に体がうごいていくから、頭をほとんど空ぽにして、
ただ目の前の状況に反応しているだけなんだ。」

私は、目を見開いて感覚を研ぎ澄まし、急流をひょいひょい下っていく。自分が
今しがた、はじめて禅の教えを受けたのだとは知らないで。 
-「社員をサーフィンに行かせよう」より

いろいろな先行き不安なことがあるときも、まずは今この一瞬をしっかりと生きることが必要だ。
それと手ぶらでは危ないのでしっかりとした戦略が生き残る上で必要だ。

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